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間質性膀胱炎

 間質性膀胱炎はその定義や概念がわかりにくい病態です。2019年に新たなガイドラインが出され、それによると「間質性膀胱炎・膀胱痛症候群(Interstitial Cystitis/ Bladder Pain Syndrome: IC/BPS)」を「膀胱に関連する慢性の骨盤部の疼痛,圧迫感または不快感があり,尿意亢進や頻尿などの下部尿路症状を伴い,混同しうる疾患がない状態」の総称とすると定義されています。ハンナ型病変という膀胱内に潰瘍を有するものハンナ型間質性膀胱炎または間質性膀胱炎(ハンナ型)と呼び、それ以外、すなわちハンナ病変を認めないものを膀胱痛症候群と呼びます。間質性膀胱炎・膀胱痛症候群というと必ず膀胱痛が存在しないといけないような印象を受けますが、過知覚膀胱症状といって、膀胱に関連した慢性の骨盤部の疼痛,圧迫感または不快感で、尿意亢進や頻尿などの下部尿路症状を伴い、膀胱痛を認めないものも含まれると考えた方がよいと考えられています。

症状

診断

問診や質問票から、間質性膀胱炎・膀胱痛症候群が疑われる場合には膀胱鏡で膀胱内にハンナ病変の有無を評価します。麻酔をかけて膀胱水圧拡張術として行い、診断と治療をともに行うことも多いです。

病態

間質性膀胱炎・膀胱痛症候群の病因・病態は不明である。仮説としては、尿路上皮機能不全や膀胱の炎症変化などが提唱されているが、詳細についは明らかにされていません。ハンナ病変があるものとないものではその病態は異なるといわれており、その両者を分けて診療も進められるべきとされています。

治療

現在保険で認められている間質性膀胱炎・膀胱痛症候群の治療は膀胱水圧拡張術です。手技としては、腰椎麻酔下で、生理食塩水を自然落下させながら膀胱鏡の観察下で膀胱を拡張させる手術です。膀胱を拡張することで頻尿および尿意切迫感などの症状緩和が期待できます。膀胱内にハンナ病変があれば電気メスで凝固することで膀胱痛の軽減が可能です。現在のところ内服による薬物治療は有効なものはないといわれています。最近膀胱内にDMSOという薬剤を注入する治療が保険収載されました。食事管理および骨盤底筋のリラックスなどの行動療法などで症状の緩和を行うことは有効とされています。

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